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密やかな結晶 



小川洋子さんの「密やかな結晶」


私は小川洋子さんについては、ほとんど何も知らなかった。

「芥川賞受賞作家」だというのもこの本の帯を見て知ったぐらい。


小川洋子さんといえば「妊娠カレンダー」や「博士の愛した数式」が有名ですが、私が彼女の作品で一番最初に読んだのがこの本でした。


なんて切なく、繊細な描写をする人なんだろうと思いました。


この「密やかな結晶」は人々が記憶を失くしていくお話です。
記憶喪失とか、そういった類のものではなく、もっと大規模に「何か」が「消滅」していくのです。


そして消滅してしまった「何か」が現実に目の前に転がっていても、それが「何であったのか」すらわからない

その物に対する記憶や感情が「消滅」してしまっているから。

その日まで、とても大切だったものが一瞬にしてゴミへと変わる。



でも、中には「消滅」のダメージを受けない人もいる。
このあたりがなんとも切ない。

「その物」の記憶や感情を一切失ってしまった人たちに、どうしたら「その物」の素晴らしさを伝えることができるのだろう。


もしいつか「自分」という存在が消滅したときにも、人々は何の感情も抱かない。



「消滅」のダメージを受けない人たちを排除しようとする組織と、その組織から逃れようとする人たち…。


現実との境目がぼんやりとした設定の中で、登場人物の心情が繊細かつリアルに描かれています。






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